ぼくらの時代
─ 高校の同窓会にて ─

堀場康一


瀟洒というわけではないが
いつも目の前に広がって
やさしく語りかける町
デザイン博の町
名古屋

四半世紀前ぼくらはここで出会い
ともに遊び 学び
喜怒哀楽を分かち合った
あの時代をあざやかに思い出すのは
容易な業ではないが
互いの顔を見つめていると
徐々にあの時代が姿を表す
ぼくらはたしかにあの校舎 あの運動場にいた
そしてぼくらの掛け声はいつも
フレー フレー あ さ ひ

ぼくらは胸にわだかまる思いやエネルギーを
精一杯ぶつけあった
青春を満喫できたかどうかは
いまとなっては定かでないが
あの時代にめぐり合わせてよかった
という思いは
決してなくならないだろう

あれから四半世紀が過ぎ
ぼくらはそれぞれの道を歩み
それぞれの道を築いた
平坦な道とはいえないかもしれないが
あの時代を思い起こすとき
一切のためらいは消え去る
ぼくらの時代は今もぼくらとともにある
ぼくはその一証言人
この色づいた名古屋で明日を探し続ける
フレー フレー あ さ ひ
の掛け声とともに



付記

 平成4年11月7日、名古屋不二パークホテルで旭丘高校二十期同期会が開催されました。
 なつかしく、楽しい一日でした。
1999/10/18, 2004/09/11 改題



 詩集『記憶のサラダボール』目次

 Copyright (c) Koichi Horiba, 1999