ぼくらの時代
─ 高校の同窓会にて ─
堀場康一
瀟洒というわけではないが
いつも目の前に広がって
やさしく語りかける町
デザイン博の町
名古屋
四半世紀前ぼくらはここで出会い
ともに遊び 学び
喜怒哀楽を分かち合った
あの時代をあざやかに思い出すのは
容易な業ではないが
互いの顔を見つめていると
徐々にあの時代が姿を表す
ぼくらはたしかにあの校舎 あの運動場にいた
そしてぼくらの掛け声はいつも
フレー フレー あ さ ひ
ぼくらは胸にわだかまる思いやエネルギーを
精一杯ぶつけあった
青春を満喫できたかどうかは
いまとなっては定かでないが
あの時代にめぐり合わせてよかった
という思いは
決してなくならないだろう
あれから四半世紀が過ぎ
ぼくらはそれぞれの道を歩み
それぞれの道を築いた
平坦な道とはいえないかもしれないが
あの時代を思い起こすとき
一切のためらいは消え去る
ぼくらの時代は今もぼくらとともにある
ぼくはその一証言人
この色づいた名古屋で明日を探し続ける
フレー フレー あ さ ひ
の掛け声とともに
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