堀場康一
朝日が町に充満する 新鮮なひととき 精霊たちが談笑する奏楽堂のかたわらで ぼくは鳥たちの澄んださえずりを聞く 何かを始めようとして 怖じ気づいたり 何かを作ろうとして 気後れしたり 心はいつも焦点が定まらないが どういうわけか ぼくの前に道はある ぼくの後ろに道はある ぼくはケータイ片手に チョコレート色の列車に乗り込む 行く先を決めるのは あなた そして ぼく 未来予想図をいっしょに 空色のキャンバスに描きたいから 海岸線を夏へまっしぐら
詩集 水平線 目次 Copyright (c) Koichi Horiba, 1999