堀場康一
空と海と丘と野原を 軽やかに風が吹き抜け 友禅流しのように 風景を染め上げる すると乙女らは 壁画から飛び出して 広いロビーで踊り始める 昼下がりの舞踏会 笛 ふいて ふるえ 弦 ひいて からめ 花 さいて しぼみ 鳩 とんで やすみ 雲 うかんで ながれ 海 さわいで ねむり 夢 うまれて はじけ 蝶 おどって ちゅうがえり 顔 わらって ひょうひょう ひとときの安息が ぼくらの心をうるおす そよ風のロンド