地 帯

堀場康一



心が透きとおるような気持ちが
ぼくを支配する
いつその地帯へ足を踏み入れたのか
さだかでないが
知らないうちに
自分の心が透きとおりだす
なにかのきざしかもしれないし
なにかを求めているのかもしれない
夜空を見上げると
星座はなにも語らないが
星たちのように
いのちのかがやきを失いたくはない
夢はいつも目の前にあるから
心配しなくていい
あとは夢をひっくりかえさないように
ステップを着実に踏もう
その地帯を通過したら
ぼくの心は丸くなり
あなたのいる町めざし
風船のように飛んでいくだろう


付記

詩「地帯」についてのメモ(2005/12/28)も合わせてご覧下さい。
2006/01/11


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