陽のあたる町
堀場康一
薄暗い朝の交差点で
ライトをつけた車が通り過ぎるのを
ぼうっと眺めていると
かげろうのようなイメージが現れては消え
心の糸を一本一本つむいでいく
ぼくの運命は宙に浮いているが
あふれる思いを大空に放り投げて
ときにはたわむれてみたい
川沿いの道を走っていくと
ひんやりした空気が
心地よくからだにしみわたる
たどりついた鶴舞公園では
噴水塔が快くぼくらを迎えてくれる
だれも拒みはしない
なんと堂々たる噴水塔であることか
トンネルに出口があるように
夜闇をくぐり抜ければやがて
陽のあたる町と出合う
ほのぼのとした気配があたりに広がり
ぼくは朝の景色に溶けていく |
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