出 来 事

堀場康一


どこの町角にもあって

ぼんやりたたずんでいる

公衆電話 郵便ポストたち

あのときもそうだったし たしか

あのときだってそうだった

ダイヤルをまわす手が妙に震えたり

手紙をなんども書き直したりして

そしていつもきまって悔やんだものだ



 詩集『ボストンバッグ』目次

 Copyright (c) Koichi Horiba, 1996