見えない星

堀場康一



ぼーっ ぼーっ ぼーっ
どこからか音が聞こえる
誰かを呼んでいるような
誰かをさがしているような
そう思いたいだけかもしれない
なんでもないのかもしれない
ぼくはここにいて
ぼくのこころはここにある
なにを言おうと
ぼくはこのくらいのぼくだから
でしゃばりようがないし
気分よく大手を振って歩くのは
もう少し先の話
いまは大通りをひっそり歩きながら
夜空の向こうに
見えない星を感じている
それでなにはともあれ生きているし
こうして生きていくのだろう
あしたは立秋
どうやら地球は休まずうごいている
ぼくは地球に揺り起こされて
あすの朝また走り出すだろう
未来はいつもぼくらの行く手にあるから

立秋の日 2007/08/08


詩集 リトルバイリトル 目次

Copyright (c) Koichi Horiba, 2007