明 日
堀場康一
昨日のあなたにさよなら
昨日のぼくにさよなら
今日のあなたにさよなら
今日のぼくにさよなら
ぼくは口をつぐみ
昼夜の眠りをむさぼる
やがて
銀河に横たわるメビウスの帯を一回りしたころ
ぼくは目をさまし地上へ戻る
ホームセンターめざして大通りを歩いていると
交差点でバイクがいきおいよく発進し
ぼくは歩みを止める
天使が羽を休めるように
ヘッドライトの光が夜空に揺れる
ぼくはその行方を追いながら
青春の抽斗にしまい込んだせりふを復唱する
「ぼくらに明日はあるか」
「しかり ぼくらに明日はある」 |
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