風について
堀場康一
風はいつも吹いている
いたるところで吹いている
北からも
南からも
東からも
西からも
そよ風だったり
つむじ風だったり
さわやかな風だったり
肌をつらぬく風だったり
風はいつも吹いている
いたるところで吹いている
その風をどのように感じるか
それは一人一人の度量次第
それは一人一人の感受性次第
ひとしきり風が吹いて
風の変化をただちに感じ取る人もいれば
どんなに風に吹かれても知らんぷりしている人もいる
ほかにも風に対するさまざまな態度があるだろう
どれがいいかいちがいにいえないが
ぼくは風の変化を感じ取り
風の動きを無視せず敏感に応答する
肩書や序列や権威と無縁な
ひとりの人間でいたい |
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