静かの海

堀場康一



静かの海は凪いでいる
あの日荒れ狂ったことが
はるか遠い日の出来事であるかのように
静かの海は大空を越えて漂う
ぼくら人間は太古から海に育まれ暮らしてきた
あの日すべて変わったのかもしれない
あの日なにも変わらなかったのかもしれない
静かの海はひかりかがやく
海はぼくら人間を忘れてはいない
ぼくは海辺から離れた町の一室で
手を合わせ思い浮かべる
あまたの漁船が旗なびかせ
三陸の海を行き交う姿を

付記

 2012/08/17付日記 を参照ください。
2012/08/19


詩集 リトルバイリトル 目次

Copyright (c) Koichi Horiba, 2012