流れる

堀場康一



しあわせ探しがはじまる
朝の町
日が差し翳り
流れ流され
とけてただよい
ぱたぱた駆けて
交差点
高速道路が頭上を走る
Anything goes.
これでいいのだ



空気がふるえ
車が動き出す
ちぎれ雲が逃げていく
ゆくものはゆくがよい
というと
格言じみて新鮮味に欠ける
われはいずこへ
かの地平へ
流れ流され
とけてただよい
すたすた駆けて
住みなれた町の
歩きなれた橋の上
川面の写し絵がゆれる
流れる似姿をみすごすわけではない
流される似姿にあらがうわけではない
で 成算はあるのかい
問題を碁盤目のように整理しても
回答は留守電のようにいつも同じ
いま
仕事服に着替えて
ボイストレーニングしたい気分
天気はどうやら
週末までもちそうらしい

付記

 2013/03/06付日記 を参照ください。
2013/03/16


詩集 リトルバイリトル 目次

Copyright (c) Koichi Horiba, 2013